“PDCAを回すハンドスピナー”を3Dプリンタで作った話

巷で「ハンドスピナー」なるものが流行っているようです。
海外では去年末くらいから、日本でも春くらいから流行りはじめ、Twitterのフォロワーさんも何人か買っていました。

実は3Dプリントモデルアップロードサイトの「Thingiverse」では去年から結構なspinnerのモデルが公開されています。最初何に使うものか全然わかりませんでした。まさか回して遊ぶだけのものだったとは。

自分も作ってみようと思いましたが、普通に作ってもつまらないので自分はPDCAを回すことにしました。何を言っているのか意味が分かりません。

PDCA(サイクル)とはつまるところ「計画・実行・評価・改善」を繰り返していく業務の改善方法です。
うちのTLはエンジニアの方が多いので、よく大喜利に使われるPDCAをネタにすればそこそこウケるかなと思いました。よこしま。

市販のハンドスピナーによく使われているらしい「608」というサイズのベアリングがたまたま転がっていたので、まずはサクッとモデリング。小一時間で作り、さっそくプリントしましたが全然回らず。ググってみると「脱脂(ベアリング内のグリスや油脂汚れを取り除くこと)をせよ」とあったので脱脂をしたところ、10秒ちょっとくらいは回るようになりました。(シールドを無理やり剥がしてパーツクリーナーをぶっかけました)

しかし市販のハンドスピナーは短くても2分、長いと5分以上回り続けるのでこれではハンドスピナーと呼べないのではないか。どうもハンドスピナーというものは「ジャイロ効果」により回転を安定させるらしいので、長時間の回転には重りが必須なようです。

というわけで、重りとして100円玉を100円玉を4×4枚取り付けられるようにしたモデルを再作成。試しに回したところ、40秒は回り続けました。わーい。PDCAサイクルを回した成果ですね。

ちなみにベアリングにシリコンスプレーを使ったら5秒も回らなくなってしまいました。シリコンコートは被膜が厚いので抵抗が増え、ダメらしい。もう一回パーツクリーナーを使う羽目になりました。

ハンドスピナーガチ勢やヨーヨーガチ勢の方の間では専用の乾燥潤滑剤を用いた「ドライ被膜」というコーティングをするのが熱いらしいです。試してみたい気もするけど既に1600円分の重りがついてるし、ネタにはやりすぎかなあと躊躇してます。

モデルはthingiverseに公開したので作ってみたい人はどうぞ。

重りなしの方も入れてますが、お勧めしません。が、そっちにしかベアリングキャップを付けていない…。ベアリングキャップ単独で公開されている方がたくさんいるのでそっちを使った方がいいかも。

この記事を書いた後に市販のスピナーを買ってみましたが、2分半ほど回りました。やっぱ市販のは違うなと思いつつ、試しに市販スピナーのベアリングをPDCAスピナーに移植してみたところ、3分半以上回り続けた…。市販のより回るじゃねえか…。

やはりベアリングが一番大事なようです。自作する人は脱脂とコーティングを徹底するか、市販のを組み替えてみましょう。

おわり。

Filed under: 3Dプリンタ — kirin 12:18  Comments (0)

組み立てると「門松」と「鏡餅」になるカードを作った

組み立てると「門松」と「鏡餅」になるカードを作ったのでモデルを公開します。

ダウンロードはThingiverseの作品ぺージから。

3Dプリンタ持っていない方には、12/29のコミケで少数ですが頒布します。
実費程度で100円の予定。

「きのことたけのこを判別する技術」もよろしくお願いいたします。

Filed under: 3Dプリンタ,イベント — kirin 20:42  Comments (0)

「アイロンビーズプロッター」でプロ生ちゃんアイロンビーズを作ってみたい

この記事は「Qiita プロ生ちゃん Advent Calendar 2016」14日目の記事です。

qiita.com


ブログを書くこと自体めっちゃ久々ですが…。
今更ながら、11月のプロ生熊本で発表した話です。

発表スライド↓

いろいろありまして、現在「アイロンビーズ」を自動で並べる装置を作っています。アイロンビーズとは樹脂製の筒を並べて絵を描き、アイロンで溶かして固定する手芸作品です。詳細は上のスライドを見るか、ググってくださいまし。

アイロンビーズでプロ生ちゃんなどのビーズ作品を作ってマスコットアプリ文化祭に応募することを目指しています。(マスコットアプリ文化祭はプロ生ちゃんを始め様々なマスコットキャラを対象としたアプリのコンテストです。アプリだけでなくイラストや立体作品も募集しています)

ちなみに↓は手で作ったやつ。30分くらい。

■ ハードウェア・制御ボード

任意色のビーズを選択し1個を取り出す機構やビーズを配置するプレートをスライドさせる機構はFusion 360で設計し、3Dプリンタで出力しています。レンダリングするとなんかそれっぽくていい感じ。

悩んだビーズ供給機構は2つの回転する円盤を組み合わせることにしました。考えた中ではこれが一番モーターなどの駆動部品が減るかなと。

試作ではいい感じに動いていたんですが、実際にモーターをつけて回すとつっかえたりします。サイズを変えて作り直したり、制御プログラム側で調整を続けています。

モーター・センサの制御ボードにはArduino Nano(の互換ボード)を使う予定でしたが、買ったモーターに付いていたドライバ基板4とセンサを扱うにはピン数が足りませんでした。そこで、mbedの勉強もかねて今回は同じサイズで有効ピンが少し多いNUCLEO F303K8を使うことにしました。これについては明後日mbed Advent Calendar 2016で書く予定。

■ ソフトウェア

画像を読み込み、トリミング・リサイズし、ビーズ色に減色・最適化し、制御ボードに情報を投げつけるソフトをC#で作ってます。

まだあんまりできてない…。できたらそのうち解説書きます。

果たしてマスコットアプリ文化祭に間に合うのだろうか??

大仏建立の気運が高まっているので3Dプリンタで大仏を建立した #大仏建立

「大仏建立の気運が高まっている」

世も末だし大仏建てようぜ!──Twitterで大仏建立の気運高まる – ねとらぼ

大仏建立の気運が高まっている – Togetterまとめ

こちらを出力させていただいた。

Head of a Buddha – Thingiverse

下が広く、上が小さくなるモデルなので、非常に出力しやすかったです。

Filed under: 3Dプリンタ — kirin 22:31  Comments (1)

3Dプリンタ「The Micro」で色々なモデルを出力してみました #M3D

▪︎︎ 補助パーツ

コンパクトさがウリの3Dプリンター”The Micro”ですが、それを多少犠牲にしてでもやはり拡張はしたくなるもの。いまのところthingiverseで見つけた以下のモデルをお借りし、出力して使ってます。

m3d_zig

1 (左上). カメラ用ホルダ(+ハクバの雲台)
2 (右上). スプールガイド
3 (左下). フック式スプールホルダ (純正フィラメント用。M3Dがモデル配布)
4 (右下). 設置型スプールホルダ(大きなフィラメント用)

1〜3はThe Micro本体にひっかけて使えます。
4はサードパーティ製の大きなフィラメントのために使ってます。

▪︎ トライアル

最初に色々なフィラメントや設定で上記3のスプールホルダを出しまくりました。先が細くそれでいてラフトの面積は広いので反りが出やすく、前向きに捉えるとラフト出力のベンチマークになります。

現状まとめると、
・PLA → 良好。サイズが大きかったりFillDensityが低いと失敗することあり。
・ABS → ベッドとラフトの食い付きはOK。ラフトとモデルが反って剥がれる。
・HIPS → そもそもラフトがベッドに食いついてくれない。

ただし、全く同じ条件で試したわけではなく、モデルの大きさやプリント設定によってもだいぶ変わってきます。工夫も含め、まだまだ試行錯誤が必要だと思っています。

初期出力ソフトではABS/HIPSは全然ダメでした。端でラフトが浮きます。

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(界隈では有名な)ヘアスプレーのケープを試しましたが、ラフトはアホみたにい食いつくように
なったものの、ラフトからメキメキと反って剥がれてしまいました。こんなんヒートベッド使ったって
ダメじゃんか…

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(他のモデルですが)木工用ボンドも引っ張って剥がれます。
すごい反骨精神を感じる。

DSC_1299

PLAはとてもうまくいきました。ただ、最初は勝手がわからずFill Densityを薄くしすぎて透けるほどに。

DSC_1236c

Quality:Mid/ illDensity:Highくらいにしてようやく使えるものが出せました。
上記1〜4のパーツは全て純正PLAで出しています。

DSC_1240

▪︎ 購入したフィラメント

現在持っているフィラメントは下記。M3Dのが純正で、The Microに内蔵可能です。

・M3D White HIPS (スプール込み実測230g) $12 @M3DでTheMicroに付属
・M3D Black ABS (スプール込み実測280g) $12 @M3Dで追加購入
・M3D Black PLA (スプール込み実測230g) $12 @M3Dで追加購入
・SainSmart Yellow HIPS 1kg ¥2,280 @Amazonで購入
・eSun PealGreen PLA 500g ¥1,922 @DDDjapanで購入
・eSun Wood PLA 500g ¥3,456 @DDDjapanで購入

PLAはABS/HIPSと比べて失敗が少なく非常に調子がよろしいです。現在使用している補助パーツはほとんどがM3Dの黒PLA出力のもの。プロ生松山で発表しただるフィギュアはeSunの緑です。

あと、eSub Wood PLAもいい感じ。飲み会で見せるとみんな「これ本当に樹脂出力?」と驚きます。バルサみたいな感じ。他のメーカーの木質フィラメントだともう少しMDFっぽかったり、樹脂っぽかったりという話を聞きますがどうなんでしょうか。

今後、ロボとか工作の部品作る上ではABSは出せるようになっておきたい…。ベッドとラフトの食い付きは良くなったけど、ラフトとモデルの剥がれがどうしても解決しない;; 失敗が多くてそれだけで使い切ってしまいそうなので買い足さねば。

あとHIPSを1kgで買ってしまったのでこれもなんとか…。ABS以上に失敗します。だいたい途中で少しor大きくずれて、その影響で他の層も亀裂が入ったりします。

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左から、
・黒やなぎ (M3D Black ABS)
・PLAやなぎ (eSun PealGreen PLA)
・だるやな木 (eSun Wood PLA)
・だるやな黄 (SainSmart Yellow HIPS)

実は黄色HIPSのものは背中がずれて失敗してます…。
色は鮮やかなイエローでたくあん漬けみたいでおいしそうなんですが。

Filed under: 3Dプリンタ — kirin 17:49  Comments (1)

3Dプリンタ「The Micro」が届いて約1ヶ月が経ちました #M3D

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▪ 初めての3Dプリンタが届いた︎

主人がオオアリクイに殺されて1年が過ぎました」みたいなタイトルですが。

5/15にM3Dの3Dプリンタ「The Micro」が届きました。

The Microはその小ささ、大きさの割にいい性能、値段の安さなどからKickstarterで非常に注目され、出資募集開始10分くらいで目標到達、最終的に12,000人のバッカーから340万ドルを稼いだ3Dプリンタです。出資して約1年、ようやくという感じ。2月バッカーだったので予定からは3ヶ月くらいの遅延でしょうか。きちんとしたものが届いたので仕方なしですね。色によってはまだ届いていない人もいるとか。

ちなみに私はEarlyBackerなので本体代$249でした。送料・追加のフィラメント含めると+$90くらい払ってますが。

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発送時固定用のストッパーは、多分動作確認を兼ねて自機で出力されたもの。こういうのは面白い。

▪ スペックとか︎

詳細なスペックは公式に譲るとして、ざっくりとしたスペックとしては本体サイズが20×20×20cmくらい、出力サイズは10×10×10cmくらい1.75mm ABS/PLAに対応しています。ヒートベッドは付いていませんが。

純正フィラメントスプールを内蔵できるので非常にコンパクトです。サードパーティ製のフィラメントを外から供給することもできます。交換が面倒なので、ほとんどの人は本体に引っ掛けるスプールホルダ(公式がモデルを用意)を出力して外付けしてるっぽい感じです。

プリントベッドは穴あきプレートにBuildTak(らしい)が貼られています。ヒードベッドは非対応。

出力ソフトは専用のものを使用。フォーラムを覗くと月1くらいでアップデートされててます。モデルの大きさや向きを指定でき、出力は”Print Quality”と”Fill Density”といくつかのオプション(ラフトを出力するかとか)を指定できます。

▪ 素材の相性︎

・BuildTakが貼られている
・ヒートベッド非対応
という構造から考えられる通りの相性。

ABS/HIPSは初期の出力ソフトではサイズによってはラフトがかなり浮いていました。フォーラムではスティックのりや木工用ボンド、タミヤセメントでの成功報告があります。自分もいろいろ試しました。現在は(5/27Verの出力ソフトの特徴か?)剥がれないどころかむしろベッドが壊れそうなくらいに食いついてます。まあ、結局ラフトと
モデル間で反ってしまうんですけど…。

PLAはシートのおかげか非常に食い付きが良いです。ただし変に広いモデルを出力するとモデルの上の方でずれたりすることがありました。それでも5cmくらいまでのモデルは安定しています。

ここら辺はもうちょっと設定変えたり、ベッドを工夫したり、出力ソフトのアップデートを待ったりと改善しろはありそう。

▪ 初出力︎

届いてすぐ、何も考えずに出力してみました。
モデルは@hsgwさんの「Yokan-man」。
半分のサイズ、設定”Low Quality / Hollow Thin”、純正白HIPSで出力。
1時間くらいだったかな。

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まあこんなもんか。意外と楽に出力できてしまいました。

▪ 2回目の出力︎

翌日、スプールホルダーを出力開始してから放置してお出かけ。
わくわくしながら帰ると…

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もじゃもじゃおばけだーーーーーーー!!

(続く)

Filed under: 3Dプリンタ — kirin 14:27  Comments (0)